自分の意見を言うからややこしいことになるのである。目の前の人が、うすうす考えていたであろうことを代弁して、自分の意見のように話して、そこにホントの自分の意見をまぶしていくと、なんかぜんぶ丸くおさまるのである。
人が賛成するのは、いつも「自分の意見」である。
物のわかった人になりたければ、みんながうすうす何を考えているかに敏感になっておくことである。みんながうすうす考えていてもコトバにできていなかったものを、ときどきこっそりコトバにして提示してあげることである。
賢い人たちは、みんな考えていないと断言するから嫌われるのである。みんなうすうす考えているのである。ただ、明確な意見やコトバにできないだけなのである。みんながうすうす考えていることを代弁することが、歌や小説や映画や、政治であるべきなのである。