学生時代の淡い恋の思い出
大学生のときの話である。京都の嵐山電鉄に乗って家庭教師のバイトに通っていた。北野白梅町から有栖川の間を同じように、いつも同じ時間に乗車していた女性のことをいまも忘れない。同じ大学生。ひとつかふたつ年上だったと思う。淡い思い出である。
いつしか会釈ぐらいはするようになったが、結局、ひとことも交わしていない。声すら知らない。
アレが食べたい、コレが食べたいと言わないと食べたいものにはありつけない。あの頃は、好きな人に、好きと言えなかった。ましてや、なんとなく好きな人に、好きと言ってはじまる恋があることも知らなかった。
シロクロ決着をつけたら、それは、どんな思い出も結果をともなうことになる。結論とともに淡い恋は、終わるのである。そう言えば、近頃、結果を急いでばかりで恋をしていない。(笑)