「どっかいい温泉ない?」
恐らく尋ねる方はなんの考えもなしに、あるいは挨拶がてら、気軽に聞いているんだと思う。しかし、私の立場からすると答えなくてはいけない、と瞬時にプレッシャーを感じてしまうものだ。
「どっか」ってどこでもいいのか、いやそんな筈はない。本人のなかではある程度の想定範囲があるのだ。
次に「いい」って、何がいいのだろうか。温泉の泉質なのか、食事がおいしいところなのか、美人女将がいる施設なのか。
さらに「温泉」って、立ち寄り入浴専用の温泉施設なのか、宿泊目的の温泉旅館なのか。
しかも、宿ならば誰と行くのか、家族なのか、愛人なのか、親孝行旅行なのか。そして、だいたいの予算もあるはずである。
ハッキリ言って、この質問には答えられるわけがない!しかし、上記の事項を一つ一つ、私が聞いて、私の脳内コンピューターで検索して、上位表示されたものからメールなり、言葉なりで返答するのも面倒くさいのだ。
常日頃から付き合っている友人なら、だいたいの懐具合もわかるし、たしか愛人がいたよな、とか、多少外れても許してくれるので、こちらも気軽に返答できる。
皆様、ご理解を。
本人の情報が皆無であるSNS上での「友達」はとくに、返答するのが恐い。良くて当たり前、期待以下ならどうなることやら・・。しかも、私がおススメすることでハードルも上がるし、あわよくば、サービスがつくことも期待されていたりすることもある。
旅行代理店のコンシェルジュならそれはれっきとした仕事ゆえ、当然だろうが、私はボランティアなのだ。皆さま、そこのところをご理解いただき、私からの返信がない場合は、なるほどそうだよなぁ、とあきらめてくだされ。