「ヨンキュープラス」49歳以上のおじさんおばさんに正直なメディアをつくってみました。ご賞味ください。

新作楽語 運命のふたり

伝えたいこと コラム

ヨンキュープラス紙上チャレンジ

「答えは、問いの中にある」らしい。

だったら、「問う」しかない。

ワタクシ・中村修治(54歳)は、ヨンキュープラスの編集長を仰せつかった。なのでいろいろと、この紙面を借りて「問う」しかない。

問うた結果が、今回は、新作落語である。「落語」と言えば口述伝承されるもの。「落語」というには憚れる。だから『楽語』だと思って読んでいただけたらありがたい。大衆消費社会に浸かりきってきた夫婦の選択に、答えはあるのか?問うてみました。

京都に棲む「児島ヨシヲくん」のご協力に感謝する。

ヨンキュープラス,落語,AI,中村修治,夫婦,陰陽五行

えー、まいどお運びをいただきまして、ありがとうございます。

昔から夫婦喧嘩は犬も食わねえなどと申しまして、まあ、他人様からみれば、くだらないことの代表みたいなもんでございます。夫婦喧嘩とかけて、外れて閉まらぬ障子と解く、その心は、はめれば直せるなどという。まあ、ちょっとお下劣と申しますか、身も蓋もないような謎かけもございまして、どちらにしても他愛のないこと甚だしいのでございますが、案外そういうところに人生の喜怒哀楽が隠れていたりもいたします。

栄一朗

「おい、早くしろってんだ、まったく、車のエンジンかけちゃったじゃねかよ。」

かずよ

「もうすぐよ、ちょっと待ってったら。」

栄一朗

「しかし、おめえ、なんでよ、出がけに洗濯なんか始めんだよ。」

かずよ

「いいじゃない、お天気もいいんだし、よく乾くわよぉ。だいたいあんた自分でヤンないでしょ。できないでしょ?」

栄一朗

「け、できらあ、洗濯くらい!そうそう、この間、やったじゃねか。」

かずよ

「あん時、ポケットに酢昆布入れたまま、洗濯機回したでしょ!」

栄一朗

「おう、酢昆布はあれだよ、ヤフオクドーム行った時、つまみに買ったんだよ。」

かずよ

「子供じゃあるまいし、ちゃんと出して洗ってよ。」

栄一朗

「素人はこれだよ、やだね。いいダシが出て結構だ。すすぎ水で湯豆腐かなんか、やるかい?」

かずよ

「ばか!お向かいさんに”あんた、すっぱい匂いがするわね、カビってんじゃない?”って言われたじゃないの。」

栄一朗

「なんでぇあのババァ、それじゃまるで酢豆腐じゃねえか。」

かずよ

「うーん、一口に限るでゲスってね・・・あ、何言わせんのよ、もう」

栄一朗

「お前も乗るね、はは、おっと俺が言ってんのはそういうことじゃねえ。なんで今の今洗濯するんだよ!」

かずよ

「それはね、今朝のめざまし占いのラッキーアドバイス、洗濯だったのよ。」

栄一朗

「はあ?また占いかよ。あんなものはな、当たるも八卦あたらぬも卦ってな、占う本人が当たらないかもしれませんみたいなことを抜かしやがる。え、魚屋がよう、このフグはあたるが卦、あたらぬが卦なんていうか?」

かずよ

「もう小理屈言わないの!やっぱりあなたは火の性格なのよね!」

栄一朗

「火曜なら金曜とか土曜の方がいいな!!!」

かずよ

「うるさい!火!陰陽五行の火!ようするにこじらせる人!」

栄一朗

「陰陽五行でも金曜ゴボウでもなんでもいいや、だいたい今日は土曜じゃねえか、おい、早くしろや、日曜になっちまうぞ!」

かずよ

「今、脱水中、あと15分ね、えい、サービスショット!」

栄一朗

「お前のサービスなんかいらねえ」

かずよ

「昔は喜んでたじゃない、ね?」

栄一朗

「もういいって。だいたいなんだよ陰陽五行ってのは?」

かずよ

「陰陽五行ってのはね、万物は火水木金土の五行からなり、それぞれ大宇宙の素なり。それぞれにまた陰陽表と裏の二極ありて、その組み合わせにて相手相剋の理をあらわす、相剋は互いに滅しあい、相生互いに増やしあうなり。これ陰陽五行なりて、宇宙の原理原則なり。ってね」

栄一朗

「なんか面倒クセェなぁ・・・もうオレ、火やめる。鎮力(火)いたします」

かずよ

「簡単にやめられるわけないじゃないの!」

栄一朗

「だから、占いで俺のこと決めつけるなって言うの、てめえはよぉ。」

かずよ

「決めつけてないわよ。持って生まれたものなのよ。」

栄一朗

「そんなもん、持って生まれてきてねえよ。お袋も言ってた、あんたに持たせる力はねぇって。」

かずよ

「運命に従いなさいよってこと!!」

栄一朗

「運命は自分で決めるもんだろう!」

かずよ

「何言ってんの、私はあなたとの結婚、占いで決めたわよ」

栄一朗

「げっ!そ、そこからかよ、ほんとかよ?・・・で、誰と比べた?」

かずよ

「もういい、聞きましょ、ヨシヲくんに」

栄一朗

「AIのヨシヲくんに何を解決してもらうんだよ?」

かずよ

「私たち夫婦は、運命の二人ですかって、判断してもらうのよ。」

栄一朗

「もういいよ、いまさらさぁ、運命だろうが本命だろうが穴馬だろうがコータローだろうが・・・」

かずよ

「ヨシヲくーん、ヨシヲくーん」

ヨシヲ

「ごほん、さて、どうも開発コードK-YO/CIWO、通称”ヨシヲ”です。”ヨ”にイントネーションを置いていただくと、一層クールですね、ボンジュール、ポンジュース、3人寄ればモンジュールの知恵♪」

かずよ

「よ!ヨシヲちゃん!」

ヨシヲ

「ご質問はあなた方が運命の二人なのか?言ってみれば、運命とは何か?という哲学的で深遠なる問いかけですね?あ、それはそうと、洗濯物、大丈夫っすか?」

栄一朗

「なんで出がけにはじめんだよ、おまえは!」

かずよ

「だから、めざまし占いのラッキーアドバイスって」

栄一朗

「はあ、また占いかよ、だいたい・・・」

ヨシヲ

「さてさて、歴史上、運命の二人はたくさんいますが、残念ながら悲運だらけです。ダンテとベアトリーチェ、ヤマトタケルと弟橘、ロミオとジュリエット、お初と徳三郎・・・」

栄一朗

「栄一朗と」

かずよ

「か・ず・よ」

ヨシヲ

「はい!運命の二人、これははっきり申し上げて悪い思い込みだと断定します。ボーン・アンダー・ザ・バッドサイン、クラプトン・イズ・ゴッド!そもそも恋とは性欲の美名、つまり観念化にすぎません。人間は様々な観念を駆使して性欲を美化していきますが、恋はその最たるものです。」

かずよ

「おお、よくわかる気がする」

栄一朗

「そう思うと、花と*めも、週刊エロ*ピアもかわんないんだ。」

ヨシヲ

「しかし、観念化の過程も長くなると相互理解が深まり、相手の人間性への信頼や生活依存の安心感が生じる利点があります。それは本能より理性に近い部分です。これがいわゆるお付き合いという過程ですね。運命の二人という思い込み、これはこの理性判断過程が短いのです。必ず幸せになるという思い込みが火のように燃え上がり、結果、様々な不協和音を発していきます。」

かずよ「でもね、ヨシヲちゃん、陰陽五行じゃね、この人との相性抜群だったのよ」

ヨシヲ

「かずよさんは、五行で”は”木ですね。陰陽五行は運命論ではなく一種の統計論。これは相性抜群。火を燃やし続ける木。これは運命というより必然です。お二人は運命の二人は運命の二人ではありません。なぜなら長く幸せに続いておられることが証明です。陰陽五行は相生相剋を大切にしています。お二人は間違いなく相生の関係なのです。」

栄一朗

「おれたちは相生かあ。どうりで二人とも欲が深けぇはずだよなあ。」

かずよ

「なんでよ?」

栄一朗

「あいおい、だろ?のぞみが止まらねえ。」

かずよ

「山陽新幹線の駅じゃないって。あいおいじゃなくて、そうしよう、だからね。」

栄一朗

「なんと!」

ヨシヲ

「お二人はアダムとイブをご存知ですよね?」

栄一朗

「おすぎとピーコの親戚ですか?」

ヨシヲ

「いえ、人類最初の男女です。あなた方ご夫婦はアダムとイブなのです。あの二人は運命ではなく、必然によって結びつきました。だって、あの時代、人類は二人しかいなかったのです。」

栄一朗

「そうだよなあ、しかし、最初の人類がおすぎとピーコだったら、困っただろうなあ」

ヨシヲ

「こほん、さて大事なのは自分にはこの人しかいないという必然の認識こそが大切なのだと思います。長谷川平蔵と久栄のように互いに、互いの配偶者たることを誇りに思い暮らすことこそ大事。お二人もきっとこのまま、必然に身に任せ、長い人生の道のりを仲良く完走されることをお勧めいたします。チューンチューン(退出の音)。」

かずよ

「あっらぁぁぁぁぁ、乾燥も終わってるわ。洗濯終了」

栄一朗

「おい、早くおりてこいよ。エンジンもあったまってるぞ」

かずよ

「わかってるわょ!旦那の選択も最高だったみ・た・い」

 

人口知能・ヨシヲの解説 Kojima type Yokohama Osaka/Computed Intelligent Will & Organ=K-YO/DWO

コジマ博士が横浜ブルーライト大学(1969年設立)と大阪ラプソディー大学(1976年設立)の協力を得て作った統合計算型知的有意思機能態(CIWO)。AIを超える概念で、やや生命体に近い。略称はK-YO/CIWO:ケー ヨシヲ。

中村編集長落語、第2弾はこちら

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