「日本はよくやった」だけでいいのか
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会でベスト16入り。
日本は、素晴らしかった。
ベルギー戦の敗戦後、ようやく落ち着いて書いている。
2−3で惜しくも敗れはしたものの、FIFAランク3位のベルギー相手だ。
チェルシーのアザールだぞ、マンチェスター・ユナイテッドのルカクだぞ、マンチェスター・シティのデブライネだぞ!
サッカー好きなら誰もが知る、世界に名だたる強者を土俵際まで追い詰めた。
ほんと、選手はよく頑張った。
見事である。
「よくやった」だけでは4年後、ベスト8に進めんよ
とは言え、「よくやった」で充満する日本列島に違和感も感じる。
大会前の日本代表の評判は最悪。
国民のサッカー熱はほどんど感じられず、あったとしても批判ばかりの空気だったのに。
それが、コロンビア戦勝利後の歴史に残る、手のひら返し。
今は「頑張った、頑張った」と称賛ばかりの声が聞こえる。
でも、「これからも日本サッカーを応援し続けるぞ」というにわかファンの声は聞こえない。
おそらく、これから国民のサッカー熱は冷めていき、4年後を待たなければなるまい。
そんな日本が、2022年のW杯カタール大会でベスト8入りができるのか。
われわれ国民がこのままでは、日本の立ち位置は変わらないんじゃないだろうか。
まだ世界の上位に入る資格が足りない日本
西野監督はベルギー戦の敗戦後、「何が足りないんでしょうね」という発言のあと、足りないものについて、「すべてだと思いますけど、わずかだと思います」という言葉を残している。
選手の実力もあるのかもしれない。
でも、プロ化(Jリーグ発足)から25年、4大会連続のW杯。
ベルギー戦を見てわかるように、日本サッカーの競技レベルは、世界の強豪に対しても、引けを取らないレベルまで来たのは事実だ。
一方で、4年に一度しか盛り上がらない国民。
陸上トラックがあるグラウンドでJリーグが行われ、サッカー専用スタジアムなんて、数えるほどしかない。
子どもたちがスライディングしても痛くない、芝生のサッカーグラウンドはまだ少ない。
世界トップレベルの国々と比較すれば、日本サッカーを取り巻くさまざまな環境が足りていない。
Jリーグを見よう、Jリーガーを応援しよう!
当たり前かもしれないけど、Jリーグが強くなれば、日本も強くなる。
Jリーグが盛り上がれば、日本のサッカーも盛り上がる。
サッカーを見る観客、グッズを買うサポーターが増え、Jリーグクラブが潤い、日本人Jリーガーも潤う(プロ野球選手並に稼いで欲しい)。
クラブが大金を手にすれば、すばらしいサッカー専用スタジアムもできるだろうし、子どもたちの育成施設も充実するだろう。
そうして育ったサッカー少年たちがJリーグで躍動し、いずれは海外に旅立ち、FCバルセロナ、レアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッドの主力選手として大活躍。
そして、日本のW杯優勝。
「キャプテン翼」のような世界だ。
でも、夢物語ではない。
かつて夢物語だった日本のW杯出場が、今や4大会連続でしょう?
毎年サッカーで盛り上がりましょ!
4年に1度と言わず、毎年サッカーで盛り上がる日本になったらいいなと思う。
日本全国どの都道府県にもサッカークラブはある。
福岡ならアビスパ福岡がある。
「おらがクラブ」を応援することが、日本サッカー強化につながっているのである。