正直さをウリにした大人なメディア「49+」の「花田伸二の居酒屋マンボッ」がついにスタート!
このコーナーは温泉ソムリエで温泉専門ライターでもある花田伸二が、温泉以外で好きなジャンル“居酒屋”をめぐり、福岡の居酒屋のレベルの高さを全国に知らしめたい、との思いを込めたモノである。また、当の本人、街ゆく人に「あっ、温泉の人!」と呼ばれることに対し、温泉だけの知見ではないことも知らせたいそうだ。
サラリーマンのパラダイスは50周年。思わず、マンボッの聖地に認定。
大衆居酒屋 寿久
さて、栄えある一軒目にノミネートされたのは博多駅筑紫口そばにある「大衆居酒屋 寿久」。玄関の風貌たるや、内観をあまり見られたくないのか引き戸のガラスにポスターがベタベタ。ビールや焼酎メーカーはわかるが、なぜか確定申告推進のポスターまでデカデカと。一見さんはこの戸口を開けるのは少々勇気を要するが、エイッ。
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眼前には驚愕の光景が!
ダークスーツを纏ったサラリーマン一色である。
しかも、カウンター・テーブルともに、1席たりとも空いてなく7~80人くらいがひしめいていらっしゃるではないか。
案内されたのは2階。ここは3階建てで、1階がカウンターとテーブルの70席ぐらい。2階・3階が小上がりの50席ずつぐらいの計170席ぐらいらしい。「ぐらい」というのがまた細かいことを気にしない博多らしさである。
2階の小上がりのテーブル上には、昔の食堂でよく見かけた箸置きや醤油入れ、さらには、「もちろん、焼酎飲みますよね!」とでも言いたげにセットされた焼酎グラス。
そう、ここは5合瓶の焼酎が1700円でキープできるという太っ腹さなのだ。まずは、昭和のリーマン風に、とりあえずの生ビール。ゴクゴクと潤し、お約束のプハァ、で一息。
至る所から、笑い声や説教交じりの会話、乾杯の声が飛んでくる。幸福感に溢れている。
注文していた、こちらの名物とも言える「ホルモン炒め」(510円)と「とうふ煮付け(玉子入り)」(480円)が登場。まずは、「ホルモン炒め」を。玉ねぎとニラ、せんまいや小腸などが混じったミックスホルモンを同時に頬張る。シャキシャキ感を残した玉ねぎやせんまいの食感、小腸から滲み出すたっぷりのうま味が口内に充満する。
常連さんに愛され続けている「とうふ煮付け」をスプーンでタレと一緒にすくって口へ運ぶ。甘めのタレがまたビールをすすませる。こりゃ、病みつき必須だ。聞くと料理長は、東京の有名ホテルのレストランの料理長を務めていた経歴の持ち主だという。旨いはずだ。
カジュアルで美味しいメニュー、お小遣いでも安心な価格。さらには、毎日が放生会のごとき、楽しさが詰まった雰囲気はまさに、サラリーマンのパラダイスである。今年で50周年を迎えるそうだ。その確率たるやおそらくは宝くじの一等の当選確率程度ではなかろうか。素晴らしい。ここは「花田伸二の居酒屋マンボッ」の聖地に認定することに即決した初回の夜であった。