愛すべき“安”“旨”焼き鳥は、福岡経済を支える縁の下の力持ち。
無料キャベツ・豚肉・牛肉エトセトラ。今や福岡名物と言っても過言ではない焼き鳥。しかし、人気ジャンルだからこそ競合店がひしめき合い、しのぎを削っている。
そんな激化している焼き鳥業界で“人気店”の座を射止めているのが、今回の「夢市門」。
大型GWも過ぎ去り、街は閑古鳥が群れを成すがごとく、閑散としている。
しかし、さすがは焼き鳥業界の人気店。こちらには閑古鳥が寄り付かないようだ。
入り口付近にあるウェイティング用の立ち飲み席以外は、20~40代のサラリーマンや若い女性グループで満席となっている。
連休で過労気味な財布に優しい料金設定も、この人気を支える一つだろう。
なんせ鶏皮1本70円、砂ずり90円、バラ90円。最安値の鶏皮は、今流行りの巻き巻き系ではなく、昔ながらのうねうね系だ。
店を知りたいなら、タレを食すべし!
ある人の教えを思い出した。
塩かタレを選ぶ場合は、タレにすべき!なのだとか。タレって言うのは、その店の特徴を表す味だからだそうだ。店側も若干嬉しいのだそう。
というわけで、タレ焼きの鶏皮を味わう。濃厚な甘辛さと表面のカリッとした歯ごたえに、ノンアルが進む。生ビールだったら鶏皮1本で3分の1はゴクッといってしまいそうだ。
味噌さがり(180円)は肉厚で、サガリ特有のニクニクしい風味が充満している。
色味は淡白。味は濃厚。強烈な個性がせめぎあう一皿。
1品メニューからは「ネギ塩ホルモン」(680円)をオーダー。これで680円は安い!
モリモリの白ネギとホルモンが所狭しと折り重なっている。
ホルモンのあの脂と、強めの塩味とニンニク風味。さらにネギの甘さとシャキシャキ感が口内で一堂に会する。
強烈な個性のぶつかり合いを中和するのは生ビール、と言いたいところだが、そこはノンアル。プハァ~~。
これ一皿で生ビールなら、2杯はいける。濃厚な味付けは生ビールの旨さを引き立たせ、グビグビいっても財布に優しいのだから、そりゃ繁盛しますわな。
“安”“旨”焼き鳥ばんざ~い!