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創業以来90年という歴史を感じる湯平温泉

旅館紹介 温泉紹介

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今から25年前、僕は社員数450人のアパレルメーカーから、社員5人の出版社へ転職した。最初の2年は広告営業マンとして九州~四国、山陰の旅館に一人、飛び込んでいた。何処の馬の骨かもわからない若造のアポなし訪問に対し、話を聞いてくれるのは、部屋数10室以下の小さな旅館のご主人が多かった。以来、編集長になって取材する際にも、館主や女将と話がしやすい小規模な旅館を選ぶことが多くなった。館主の思いが宿へ反映されやすいことも多いからだ。そんな僕が今回選んだのは大分県由布市にある全9室の老舗、湯平温泉「志美津旅館(しみずりょかん)」だ。

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演出ではない趣のあるお部屋

いつも優しい笑顔で迎えてくれるのは、由布市の副市長を務めた経歴もある館主の清水嘉彦さんだ。とにかく、人当たりが柔らかく、いつも笑みを湛えた温和な方だ。「今日はとにかく、のんびりしてください」と言われ、インタビューは明日のチェックアウト後に決定。お言葉に甘え、今日は仕事を忘れ寛ぐことを即断した。ピッカピカに磨き上げられた廊下や築90年という年季の入った階段を経由し、通された客室は「芙蓉」。その瞬間、「こりゃ、外国人の方にはたまらんやろ!」と思わせる程の昔ながらの日本間だ。懐かしい鏡台や、襖を開けた正面の床の間には掛け軸と生花が存在感を醸し出し、あるべきものがあるべき場所に収まっているが故の安堵感がこみ上げる。一世紀近い歴史は、古さの演出とは一味違う。

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名物風呂の洞窟風呂

さて、温泉へ。実はこちら、洞窟風呂なる名物風呂が存在するのだ。時刻は幸運の16時半、はい!まともや貸し切り。まずはその洞窟風呂を探検。ごつごつした天然岩の岩肌を横目に奥へ進む。なかなかに広い空間が広がる。15人くらいはゆったりと出来そうだ。橙色の照明が湯面を照らし、幻想的なムードが漂う。しかも、湯気が立ち込めて洞窟内は天然のミストサウナ状態。キョロキョロする動作も落ち着き、しばし、のんびりと漬かる。じんわりと汗が滲んできたところで、露天風呂へ移動。檜造りの浴槽の横には、小さな滝が設えられた庭がある。ひんやりとした空気を大きく吸い込み、腰を下ろす。すると、“ホー、ケキョ、ケキョ、ケキョ”と、何やら、リズム感のない鳴き声がどこからともなく聞こえてきた。子供ウグイスが練習しているのだろう。微笑ましい気持ちでその声に耳を澄ましながら、ゆっくりと漬かった。

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洞窟風呂の影に隠れているが、僕的にはこちらは料理重視の際におすすめしたい宿なのだ。地元愛に満ちた清水さんらしく、食材のほとんどが地元産なのだ。とても1万円前半の夕食とは思えない。量も味付けも、食材も、器使いも申し分なし!「お寛ぎ下さい」とは言われたものの、くつろぎすぎた一夜であった。

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湯平温泉 志美津旅館

住所:大分県由布市湯布院町湯平263 

電話:0977(86)2111

創業以来90年という歴史を感じる建物も改築や増築を重ね、和の趣を継承しつつ、トイレや1階の暖炉があるモダンなカフェなど、快適さの追求も忘れていない。館主とご兄弟3人が英語も堪能ということも手伝い、大手クチコミサイトでは外国人満足度全国6位という。納得の結果だ。

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