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天然温泉vs六一〇ハップ=温泉、イロイロ♪

温泉紹介 伝えたいこと

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あるはずの無いものが、そこにあった。

今から30年以上も前の取材時、見てはならぬものを見たことがある。温泉街を見晴らす高台の岩づくりの露天風呂をカメラマンと撮影していた。どのアングルがいいか、吟味しながら撮影場所を決めていると、岩の陰に六一〇ハップの空き瓶が・・・。六一〇ハップとは、武藤鉦製薬が製造していた入浴剤で、硫黄や石灰が主成分である赤い液体をお湯に入れるとたちまち真っ白の白濁した硫黄成分濃厚なお湯に変身するという代物で、当時の映画やテレビ番組での女優の入浴シーンでは重宝されていたそうだ。水戸黄門の名物シーンで知られる由美かおるの入浴映像では大活躍したに違いない。命名の由来は開発者の武藤さんとハッピーを掛け合わせたものだ。なかなかいいネーミングである。などと感心している場合ではない。さすがに、そのまま取材を続行するわけにもいかず、どんよりとした天候のせいにして撤収することにした。

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それから20年近くたった2004年、白濁した温泉がウリだった長野県の白骨温泉でこの六一〇ハップを使ってより濃厚な白さを演出していた温泉偽装事件が発覚した。その事件を皮切りに全国各地で温泉じゃないのに温泉とうたっていたり、無許可で源泉を掘削していたりと問題が噴出したものだ。これにより温泉の再分析作業が行われ、開発時は温泉だったものの現時点では温泉ではなくなっていた温泉地や旅館が他にも出現し、温泉である旅館が源泉利用であることや源泉かけ流しであることを明記しだした。さらには、温泉法にも湯船の温泉の利用形態を明示するような改訂も行われ、以来、ちょこちょこと改正され厳格になりつつある。

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温泉の定義とは

そこで温泉とは何なのかをご説明いたしましょう。温泉法第二条「温泉とは地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス・・。泉源から採取されるときの温度が25℃以上、もしくは溶存物質の総量や水素イオンなど含有成分に関する19の特定成分の1つ以上が規定値に達しているもの」。要するに、地下水の温度が25℃以上あれば、有無も言わさず正真正銘の温泉で、25℃未満であっても19の特定成分の1つでも規定値をクリアしていれば温泉と言えるのである。

100m掘れば地下水の温度は2~3℃上昇すると言われている。25℃以上まで掘り進めば温泉は必ず出るのだ。これが都心のど真ん中に天然温泉施設が出現した理由なのだ。これはこれで、法律に抵触しない偽装のような気がしないでもない。温度だけをクリアして塩素臭の強い都心の温泉ならば、六一〇ハップ入りの沸かし湯の方が薬理効果は高く、より美肌効果が望める。温泉の魅力は様々である。島倉千代子ではないが、いろいろな温泉を楽しみましょ。